淡水釣りのエサの王様は、なんといっても山で採れる通称「ドバミミズ」と呼ばれるフトミミズ科のミミズたちである。
釣具屋で売っているツリミミズ科の「シマミミズ」は、養殖が容易であるが、大きく育たないしアピールも弱い。やはり大物釣りにはフトミミズが不可欠だ。
しかし、晩秋から早春にかけて、釣りに使うミミズがなかなかとれなくなる。
だからこのフトミミズの長期飼育、ひいては繁殖させる方法を模索しようというのが本コーナーの目的である。
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何事も下調べから
その生きものについてよく知らなければ、何も始まらない。下調べこそ、調査の第一歩なのだ。
私の知る限り、ミミズに関することが最も詳しく書かれているのは「ミミズ図鑑」という本である。
ミミズの分類、生態、解剖図と至れり尽くせりである。
私のように釣り餌だったミミズがいつの間にかペットになってしまった人にとっては、ミミズのことを知るのにとても良い本だ。
しかし、この本にですら、ミミズは謎に包まれているという旨の記述が目立つ。
この本(の紹介文)によると、
日本に生息するミミズの95%をフトミミズ科のミミズが占め、その種数は500以上と推定されているが、名前のついているのは1割程度にすぎない。
とのことである。
釣り人がドバミミズと呼んでいるミミズは、実は推定475種類以上いて、そのうち9割は名前もついていない謎のミミズである!
これには驚く人が多いのではないだろうか。私は驚いた。
なにしろ、研究者でさえ手を付けていない可能性がある生きものの飼育・繁殖に挑戦しようとしているのだ。
途方もないことにチャレンジしようとしている…しかしミミズはミミズである。シマミミズを使ったコンポストの真似事からはじめてみようか…こうして私のちっぽけな調査は始まった。
(2020年4月追記)シマミミズ飼育の模倣は有効ではなかった。フトミミズ飼育床土の開発には成功したので先を読んでいただきたい。
「ミミズ図鑑」はミミズの分類に非常に役立つ。ところが、分類の根拠を得るには、基本的に解剖しかないことも同時に明らかになった。厳しい世界である。
しかし私は、つかまえたミミズが「○○ミミズっぽいミミズだ」と大まかに3種類くらい(笑)判断できるようになった。この進歩には、実際に種々のミミズの飼育どころか研究に尽力されている、
というwebサイトが非常に参考になった。管理者様は、数々の学会発表を行い、ミミズに関する本まで出されている、ミミズのプロである。
フトミミズの飼育についても、触れられている。(ミミズ以外のページもすごい)。私が勝手に神と崇める人だ。
下調べで絶望感が湧いてきたところで、「採集と分類」では、私のミミズ採集方法と、いいかげんな分類を見ていくことにする。
釣りに特化した採集方法で、ミミズを解剖しない限界地点の分類方法だと思う。
また、採集方法に関しては、釣りだけのことを考えてもとても有益だと思うので、ドバミミズを釣りに使う方はぜひ読んでいただきたいページだ。