ミミズの採集方法について
私は幼少期から、ミミズをつかまえてエサにして釣りをすることが多かった。
このため、「釣りのための手軽なミミズ採集」に関しては筋金入りである。ミミズ捕獲歴は30数年を数える。
しかし以下で説明する方法は、そのミミズの本来の生息域が不明なので、分類には不向きであると言えるだろう。
私の場合、釣りに使うことが目的になるため、釣りのために効率化された採集方法を紹介する。もちろん、飼育するのも、この方法でとれたミミズである。
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ミミズが溜まっている場所
通称「ドバミミズ」は側溝にいる。以下の条件がそろっているとよくとれる。
・落ち葉や土が溜まっている
・隣が側溝に向かって落ちる傾斜地である
・隣が草地、芝生、森、植込みのいずれか、またはその複合である
・側溝の中に草が生えている
・水が溜まっていない
こういった場所の側溝は、雨の日などに這い出たミミズがトラップされて、ミミズの宝庫になっている。
こういう条件がそろっていることが多いのは、大きな会社の敷地(工場を含む)横の側溝、公園内・公園沿いの側溝、山道の側溝だ。
土地勘があるならば住宅地でもじゅうぶんに採集は可能であるが、釣り場で突然ミミズが必要になった場合や、遠征先でとる場合でも、こういう場所を探せばミミズポイントは容易に見つけられる。
次に現場での採集方法である。ムカデやマムシには気を付け、緊張感を持ってミミズをとろう。
ミミズポイントに着いたら、いきなりスコップで掘ってもいいが、「優しく、底から、根こそぎ」掘らないとミミズを傷つけてしまう。
落ち葉が薄ければ、適当な棒を土に突っ込んで一か所をドスドスとついてやると、びっくりしたミミズが自分で這い出てくる(イノシシを模倣するとミミズがビックリして出てくるようだ。地元の鯉釣りのおじいさんが教えてくれた)。
草が生えているならば、草を引っこ抜く。すると溝の形に根がはっていて土ごとベロンと取れる場合があるので、これを揺すって土を落としてやるとミミズもポロポロ出てくる。
とった後は、側溝から土をまき散らしたままにせず、ちゃんと元に戻しておこう。そのまま釣りへ向かったのでは、近所迷惑甚だしい。
とれるミミズの分類
何しろ500種以上もいるのだ。全部違う種類のミミズかもしれないと思うとゾッとするが、一つの採集場所から見つかるのは、数種類くらいだと信じたい。
地域によって違うのは当たり前であるが、関西の我が家の近所でとれるミミズなら、4~5種類くらい見分けがつき、3種類は「○○っぽい」くらいまで分類できる(そういうのは分類できているとは言わない)。
ヒトツモンミミズっぽいミミズ
主に草地、芝生の隣の溝にいる。近所で一番たくさんとれるミミズ。ピンク色寄りでお尻がシュッとしている。ミミズについている白いものはゴミである。表層に棲むミミズらしい。
ヘンイセイミミズっぽいミミズ
こちらは森の横の溝によくいる。つまむとかたく、はりがある感じがする。比較的細長い。浅層に棲むミミズの特徴を持っている。
ノラクラミミズっぽいミミズ
これも森の横の溝でとれる場合が多い。右が頭。太くて、お尻がぷっくりとしている。深層種のミミズはお尻がふくれていることが多いらしい。伸びたときと縮んだときの長さが全然違う。伸びると笑えるくらい長い。縮むと笑えるくらい太い。
不明のミミズ
この写真の下の物。左が頭。上のノラクラミミズっぽいミミズと比べると、お尻がシュッとしているのと、少し触った感じがかたい。
これはどこでもとれる気がする。ヒトツモンミミズっぽいミミズの大きいやつ?もしかしたら、フトミミズ科フツウミミズかもしれない。
さて、ここから先、このコーナーでは彼らに敬意を表し、釣りエサとしての呼称「ドバミミズ」を使うのをやめようと思う。
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飼育に挑戦するのは…
最終的に繁殖を目指すのだが、最初から多くのミミズの手を広げると卵胞を生んでもどのミミズかわからなかったり子ミミズが生まれてもどのミミズかわからなかったりしかねず、収拾がつかなくなる。飼育に挑むミミズは一種類から始める。
当サイトでは、一番よくとれるまずヒトツモンミミズっぽいミミズを飼育していくことにする。順に、さらに大型化するミミズに手を広げていくつもりだ。(2018年以降は大型のノラクラミミズっぽいミミズの飼育を開始している)
実験とはいえ、失敗したらたくさんミミズがそこで息絶えてしまうだろう。
しかし、側溝にトラップされているミミズは、晴れた日が続けば溝の中のわずかな土が乾いて力尽きる運命の、哀しきミミズ達だ。
これも運命と思って受け入れてもらうしかない。私のミミズ箱に入ることでわずかな命を延ばすのだ。
その貴重な時間を、私が頂くことにするのだ。不憫だが素人の実験に付き合ってもらう。
「飼育箱と寝床選び」では、ミミズを飼育する箱と、その中に入れる床土を紹介していこう。