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大きな魚を手軽に釣ろう

釣り糸の結び方・私が使う3種類のノット

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-​不器用な人のための簡単な結び方3選-

釣り小話第一弾では、釣り糸の選択について書いた。今度は結び方である。釣りに用いられる糸の結び方は無数に存在し、それぞれに特徴がある。

 

ここでは私が推奨するような「手軽な釣り」に使える3種類のノットを紹介する。

 

とはいえ、そのうちPEラインとショックリーダーを結束するノットが2種類なので、ナイロンやフロロカーボンの糸を使う場合、私はほぼ1種類のノットですべてを済ませていることになる(針にハリスを自分で結ぶ場合は除くが、私の釣りでほとんどそういう場面はない)。

 

私はノットによってルアーの動きの違いを感じられるほど敏感ではないし、簡単で、強いノットを使っていたら「ダブルクリンチノット」の1種類に行きついたのだ。

 

※2023年追記

ダブルクリンチノットは、ナイロン25lb以上やフロロ20lb以上となってくると割と強度が出にくい。手軽な釣りから離れて、超大物を狙っていくならばモノフィラメントの太糸は「漁師結び(完全結び)」が簡単で強いと感じるので、機会があれば追記する。

ショックリーダーの結束については、「電車結び」から始まって色々なノットを試したが、摩擦系の「ヘタだと強度が出ないノット」に何度も痛い目にあわされ、電車結びに戻ってきた。

 

つまり私は結ぶのがヘタだったのであるが、よくよく考えてみると電車結びで、電車結びだからという理由で痛い目にあった経験がないため、別にこれでもいいと感じることもある。スプール上でPEが滑らないように行う下巻きのナイロンラインとPEラインの接続は私の場合電車結びである。

 

そして、何度か挑戦と挫折を繰り返すうちに、ヘタでもすっぽ抜けない系で、かつロッドのガイドを比較的滑らかに通る「ノーネームノット」が身に着き、これが重宝している。

これは不器用な私の辿りついた妥協点だ。器用な人は、強度も強くガイドの通りがよい「FGノット」を身に着けるのが良いと思う(私も使っていたことがあるが、うまくいかないことがあってその時だけ抜けてしまうのでだんだん使わなくなった)。

これらの3つのノットを覚えておけば、少なくとも当サイト程度のレベルの釣りならできる。それぞれ順に作り方を説明しよう。

 

 

目次

 

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ダブルクリンチノット

糸とルアー、糸とスナップ、糸とフック、糸とサルカン、糸とスプリットリングを結ぶためのとても基本的なノットだ。

 

強度も十分で、かつ簡単に覚えられる。大物専門の太糸にならない限りは万能といってもいい。

 

何度も言うが、私はほとんどこれしか使っていない。急ぐときのためのノットなんかもあるのだが、慣れてしまうと別段これより素早く結べるという事もなくなってくるはずだ。

 

では結び方を太い紐を使って紹介する。

まず、穴に糸を同じ方向から2回通して輪っかを作る。

f:id:brobroski:20180205163700j:plain輪っかに通した糸を、道糸に2~5回巻きつける。ナイロンならしなやかなので2回でもいいが、フロロの場合は滑りやすいので多く巻いたほうが良い。輪っかを閉じてしまわないように注意しよう。

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​次に、巻きつけて余った糸を、閉じないように保っておいた輪っかにくぐらせる。まだ締め込まない。

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​糸の先を輪っかに通すことによって、新たに輪ができたはずだ。写真で言うと右の輪だ。ここに糸をくぐらせる。

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出来ればここで糸を湿らせよう。この​余った糸を摩擦熱が起こりにくいようにゆっくり引っ張る。

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​道糸と余った糸の両方をもって締め込んで完成。

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余りの糸は切ってしまおう。

 

これが素早くできるようになれば、PEを使わない限りはとりあえずこれ一本で行けてしまう。手軽さと強さを併せ持った、私の推奨ノットだ。結び目に関する悩みはだいたい解決するはずだ。

 

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電車結び

糸と糸を結ぶための、もっとも基本的なノットである。

 

PEラインにショックリーダーを結ぶにあたって、「練習」が必要ない結び方は珍しいのではないだろうか。電車結びはその一つでもあり、強度は強いほうとは言えないが安定することろが利点だと言えるだろう。

 

簡単であるがゆえに弱いと誤解されている部分もあるが、私に言わせれば欠点は「結び目のガイドの通りが悪い」事だけだ。

 

簡単なので都度リーダーを短めに作り、垂らしを長くとって結び目がガイドを通らないように外に出してキャストしていれば問題はそうそう起こらないはずだ。ただし、他の「ガイド通り」の良い結束を覚えている人はそちらをやはり使ったほうがいいとは感じる。PEと下糸の接続ならばこれで十分だろう。また、ベイトリールでPEを使う場合には垂らしの短いキャストも増えるし、スプールまでノット部分を巻き込むロングリーダーを組むことも増えるためリーダーとPEの電車結びはおすすめしない。

 

では結び方を紹介しよう。

 

黄色をPE、青をリーダーとしよう。まず、リーダーとPEを向い合せて重ねる。

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次に、PEラインで輪を作る。

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輪の中のPEとリーダーに3~5回PEを巻きつける。写真で見て右側に向かって巻き進む。

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PEを両側から引っ張り、軽く締め込む。あまり締めすぎないように。

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​次に、左右対称になるように、今度はリーダーで輪を作る。

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PEと同様にして、輪の中を左向きに3~5回巻き進んで、リーダーを両側に引っ張って軽く締める。写真で言う黄色と青の結び目はこの時点では離れていても良い。

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​このまま締めてしまうと、糸が摩擦熱で切れたり弱ったりするので、二つの結び目を唾などで湿らせて、PEとリーダーを引っ張って締め上げたら完成だ。

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​もちろん、余った糸は切る。

 

PEラインを使うにあたって、ハードルが高いと感じる人もいるだろうから、まずはこの電車結びで試しにリーダーをつけてその釣りを体感してみると良い。

 

PEを初めて使って遠投したとき、そしてアタリがきたときの感動は、はじめて魚が釣れたときに匹敵する衝撃があるだろう。

導入文で言わなかったが、電車結びはパンプカ釣りでサルカンなし、ナイロンの道糸とハリスを直結するのにも使える。

 

ただし、サルカンを使って両側をダブルクリンチノットで結ぶのに比べると強度は落ちると感じる。サルカンがプレッシャーになるようなスレた鯉には有効である。

やたらとディスられる電車結びであるが、それは簡単だからだろう。趣味の世界というのは何でもそういう所があるが、簡単なものは、必要以上に軽く見られるものだ。

 

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ノーネームノット

別の名を8の字ぐるぐるノットという。シーバスブームでFGノットが台頭して以降、これを使っている人はあまり多くないかもしれないが、優れたノットである。

ノーネームノットの強度は電車結びよりは強く、FGノットよりは弱い。太いほうの糸であるリーダーで結び目を作るため、FGノットよりは結束部分が太い。そして作り方もFGよりは複雑かもしれない(慣れればすぐ作れるが)。

 

ではなぜ、私がこの結び方に行きついたのかというと、すっぽ抜けないからである。

 

そして、結束部分が真ん中に向かって徐々に太くなっていく構造のため、ガイドの通りは比較的良い。

 

FGのように摩擦系のノットを組むのが苦手な人は、ノーネームノットを使うのが良いのではないかと思う。何せ私は何度もヘタクソゆえに摩擦系のノットでルアーを不必要にロストしたり、大物を逃したりもした。

 

私はこれが最適であるとは言わない。FGノットをうまく組める人は尊敬する。挫折組の私は、このノットが自分のできるリーダー結束の妥協点だったわけだ。

 

よし使おう、と思ってくれた諸兄は、丁寧に説明するが、一見ややこしいので、覚悟して以下の説明を見てほしい。練習して5回以上連続で成功してから使用してもらいたい。

​まずは、黄色をPE、青をリーダーと定義する。電車結びの説明と同じだ。

 

この時気を付けたいのは、リーダーを必要な長さ切り取っておくことはせず、糸巻きにまかれた状態そのままで使用することだ。理由は後でわかる。

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まずはリーダーに8の字結びを作る、このためには輪っかを作って一回ひねり、その輪っかにリーダーの先を通す。

 

理由は後でわかるが、8の字はリーダーの先端部分ではなく、先端から15㎝くらいの所に作ろう。写真よりも余り糸は長いほうがいい。

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​作った8の字結びの2つの輪に、PEラインを通す。

 

この時注意しなければいけないのは、リーダーがくぐっている最後の輪、この輪を通っているリーダーと、出る向きがそろうようにすることだ。

 

通したPEラインは写真よりもっと長く入れたほうがいいだろう。後で編み込むことになるので、短いと失敗する。

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​PEラインを通したら、8の字結びが締まらないように8の字結びの部分をつまみ、リーダーを足か何かで固定してぴんと張ると作業が断然やりやすくなる。

 

切らずに糸巻から直接出たリーダーを使えと言ったのはそういう意味である。糸巻きを固定すればリーダーをピンと張れるからだ。

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ここで、ピンと張ったリーダーにPEを8回くらい巻きつけていく。巻きつけたのが以下の写真だ。リーダーを張っていないとわけがわからなくなるぞ。

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​8回巻いたら、下の写真のようにハーフヒッチで締め、巻いた糸を止める。これもリーダーが張っていないと収拾がつかなくなる。

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ハーフヒッチが締まったら、今度はPEをこれまで巻いてきたのと同じ回転方向に、しかし8の字のある方向(写真左側)に向かって8回くらい巻きつけていく。(細い糸だとできないので、その時はハーフヒッチ後写真右に向かって巻き進めて良い。後述するが細い糸ならどうせ「つまんで押す」工程で巻き戻った状態になるからだ。)

 

巻く方向がわかるようにあえてたるんだ写真を載せるが、1回1回締めて巻いて行っていい。もちろんこの時もリーダーが張っていないと作業は非常にやりにくい。

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8回巻きつけたら、8の字が締まらないようにつまんでいた手を、8回巻き戻ってきたPEが緩まないように持ち替える。

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持ち替えたら、PEラインをリーダーの8の字結びの2つの輪に再び写真右から左に向かって通す。通すときは、最後の輪から出る3本の糸が同じ方向から出るようにする事が大切だ。

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8の字を無事通ったら、今度はリーダーの先端を引っ張って8の字結びをキュッと締める。がちがちに締めると失敗するので注意。

 

このあと、ぐるぐる部分を締め込むのだが、摩擦熱で糸が切れたり、傷んだりするので、唾などでよく湿らせる。

 

湿らせたら、締め込む。この時、リーダーの先は歯で咥え、2本のPEは束ねて強く引っ張る。

 

締め込むときはぐるぐる部分をつまんで押しながら8の字結びの方向に押してアシストしてやればぐるぐる部分がきれいになるはずだ。

 

ぐるぐる部分のPEラインの色が少し変わったら成功だ。しつこいが、この時も糸巻から出るリーダーが張っていないとこの作業は困難になる。

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ぐるぐる部分が締め上げられたら、行程の半分ぐらいが終わった感じだろうか。次はハーフヒッチで8の字の反対側を編み込んでいく。

 

リーダーの余り糸とPEのメインラインを束ねて中指か薬指に巻きつけて上に持ち上げ、リーダーを張った状態にすると作業がしやすい。

 

ハーフヒッチのやり方たが、大きな輪っかを作りながら2本のラインにクロスさせ、クロス部分を糸を引っ張っているほうの親指と人差し指でつまみ、下の写真なら輪っかの上からもう片方の手の指を入れてPE先端をつかんで引き抜くとやりやすい。

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​一回ハーフヒッチを入れたら、次は左右対称になるように輪を作り、やはりクロスした部分を指でつまみ、輪の中にもう片方の手の指を入れてハーフヒッチを作る。

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これを4回ずつ、つまり計8回ハーフヒッチで編み込んだら下の写真のようになる。リーダーに8の字を作る際に先端よりだいぶ余り糸を長くすべきだと言ったのは、このハーフヒッチによる編み込みを作る際に引っ張ることができなくなるからなのだ。

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PEの結び目がずいぶんごつごつしているように見えるが、実際にPEラインとナイロン・フロロを結束するとPEは非常に細いため接続部はかなり細くなる。

 

さて、上の写真で言う青い糸の左側、つまりリーダーの8の字の余り糸はもうお役御免である。ここで切ってしまってもいいし、離脱させておいてもいい。

 

さて、これで終わりではない。この後さらに、PEのメインラインに対してハーフヒッチを4回入れる。コツは同じだ。左右を2回ずつ行えばよい。PEだけにクロスさせ、

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​ハーフヒッチにして、締め込む。

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これを左右2回ずつ、計4回行えばいわゆるノーネームノットの完成だ。

 

ただ、最後にちょっとした工夫を入れるとガイドに対する「戻り」の抵抗がさらに小さくなる。

 

5回目を入れるわけだが、この時、輪の中を8の字結びの方に向かって3回巻き込む。

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最後のこれを入れることで、PEラインの先端が結束部の内側に向かって出るため、ガイド抵抗が小さくなるのだ。

 

締め込んだら完成だ。最初に8の字に差しこんだPEが短いと、この編み込みができなくなるのがわかるだろう。

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余分な糸はもちろんカットしよう。上で紹介した2つのノットに比べたらかなり複雑であるが、その分電車結びではちょっと怖い、結束部分をガイドに入れてのキャストも可能になるし、強度も上がる。ベイトリールのロングリーダーもこれなら大丈夫である。

 

慣れれば3分もかからないし、私は家でリーダーをつけるときや、釣り場でも急がない時はこちらを使用している。

 

最高の結束と名高いFGノットで、リーダーがすっぽ抜けるという人は少なくない。それが下手なのだと見下すことは簡単だが、せっかく色々なノットが考案されているのである。自分に合った別のノットを探してみるのも楽しみのひとつではないだろうか。

 

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