当サイトでは対象魚を絞ってその釣り方やエサ、ルアーを主に紹介している。道具についてはあまり言及せずに、だ。
釣りは道具じゃない、と私は思っている。ただ、特に糸については、何を選べば特性上よいのかと疑問に思われることも多いのではないかと考え、私なりの答えを書いてみることにした。
ただしこれは、私が釣りをするフィールドにおける、きわめて限られた範囲での使い分けである。一番良いのは、あなた自身がいろいろと手を出して使ってみることである。
種々の糸の違いを最も体感しやすいのは、ブラックバスをはじめとするルアーフィッシングではないだろうか。打ち返し、根掛かり、結び直しが圧倒的に多いためだ。
トラブルが多いからと言って嫌わないでいろいろ試してみるとよい。それを防ぐ方法もだんだんと見えてくる。焦ることはない、何度も失敗して学んでいけば、それぞれの特徴は見えてくる。
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目次
ナイロンライン
ナイロン -素材になじみのない人でも。高校で化学を学んだ人は何となく覚えているのではないだろうか。ポリアミドというやつである。
代表的なのが6ナイロンと66ナイロンで、6ナイロンはε-カプロラクタムの開環重合、66ナイロンはアジピン酸とヘキサメチレンジアミンから合成される、という、あれである。
何をいまさらという人や、懐かしくて涙が出るという人は、私の仲間である(笑)
合成方法の話は置いておくにして、何も考えずに釣り糸を選ぶと必ずこのナイロンラインになる。最も普及しているラインだからだと言ってしまうのは簡単だが、それにはきちんと理由がある。
まずは他の素材に比して安価であることだ。誰もが釣りにお金をかけるわけではないし、セットの道具のみでチョイ投げ等ライトな釣りをするという人はほとんどこのナイロンの糸を使うことになる。
しかし、安い以外にもきちんと長所はあるし、使うメリットはある。それは、以下のようなことだ。
①伸びる(弾性がある)
②しなやかで扱いやすい
③わずかに沈み、水と比重が近い
③面倒が少ない
①伸びる(弾性がある)
伸びるというのは、釣りにおいては欠点にも長所にもなりうるのだが、当サイトで扱うような釣りの場合はっきり言って長所が勝る。
長所というのは何かと言うと、「ピンと張っていなくてもうっすらテンションを保ってくれる」ということに尽きる。
あたった瞬間に魚が首を振ったら糸の張りが緩むような糸であればバラシの可能性が高くなるし、ピンと張っていない糸からもアタリが伝わってくる。魚に鈎を掛けてからも、ジャンプ(エラ洗い)やテイルウォークを決められたりしても魚の挙動に合わせて伸び、テンションが緩まない。
ナイロンはその伸びによって、「少しだけたるんだ状態」「ファイト中に糸がたるむ場面」で、まるで張っているかのように糸が張力を保ってくれるのだ。「粘る」とでも言えばいいだろうか。
②扱いやすい
しなやかでライントラブルが少ないのがナイロンの利点である。これはちょっと釣りをたしなんだ人が「脱・ナイロン!」で他のゴワゴワの糸や極細の糸を使ってみればその扱いやすさに気が付くのだが、あまりにナイロンの普及率が高いために意識されない点である。
扱いにくい糸を扱うのが偉いとかいう考え方はしなくてよい。それは無駄な「修行ごっこ」だ。「扱いやすいからナイロンを使っている」と言うのは正当だし、素人くさくもない。立派な理由である。
③わずかに沈み、水と比重が近い
「ナイロンは浮く」という勘違いをしている人が多いが、少し違う。ナイロンの比重は水より大きく、沈む糸である。一部が浮くのは表面張力によるものだ。
ただ、他の性質がナイロンと似ている、フロロカーボンの糸が比重がより大きく、速く沈む糸であることを強調するためにこのような誤解が生まれたのだろう。
ナイロンは止水であれば、表面張力で水面に張り付いたあとは徐々に沈む。実はこのバランスがよく、結果的に竿先と仕掛け・ルアーとの直線性が高いのだ。
④面倒が少ない
これに関しては、他の何でもなく完全にPEとの比較になるのだが、ショックリーダーを作る必要がない。
まあ、世の中には、モノ好きでナイロンよりもフロロカーボンの方が固く、傷などがつきにくいことを知っていて、ナイロンにフロロカーボンのショックリーダーをつける人ももしかしたらいるかもしれないが、そんなことをするくらいならナイロン直結の方が強度は絶対に大きいだろう。
傷が付きにくいとされているフロロカーボンは、実はひとたび傷つくとあっさり切れてしまうのだが、ナイロンは少しなら傷ついても意外と粘る。これはかなり見落とされがちな事であるが、常に新品を用意するようなプロと違う一般人にとっては重要なメリットだ。
当サイトでは一貫して、あるナイロンラインをおすすめしている。ヤマトヨテグスの「ファメルスーパーソフト」だ。
このラインはナイロンラインの扱いやすさをよく理解したうえで開発されており、他のナイロンよりも柔らかくさらに扱いやすいうえ、引っ張り強度を少しであるが改善している。
アメナマ、鯉、ライギョ(非トップ)なら14~25lb、ブラックバス(ベイトタックル)なら使うルアーによって10~20lbくらいだろうか。小物釣りにもさらに細い物が使える。
ちなみに釣具屋さんでは300mは買えない(見たことがない)。私はいつもネットで購入している。
万能のナイロンラインだが弱点もある。それは、劣化しやすいということだ。水やそこに含まれる物質、紫外線などの影響により、ナイロンは他の糸よりはやく劣化する。
この点には十分注意が必要で、プロではない釣りの素人でも、毎日釣りに行く場合は甘く見て2週間に一度程度、週末アングラーでも2か月に1度程度は巻き替えたほうが良い(例えば釣りでメシを食っているプロなら、釣行1回ごとに巻き替えているだろう)。糸を触ってザラザラしていたら躊躇なく交換しよう。
リールに巻いて何年も経ったナイロンで魚は釣れないことはないが、その強度は半分、それ以下になっていると考えても良い。意味がないので耐久テストのような真似はやめよう。
ナイロンの糸はすぐ色が濁るので、巻き替え時期もわかるのだが、減ってくるまで巻き替えていない人も見かける。少なくとも年単位は絶対もたないので、注意してほしい。
少しのライントラブルでも糸が縮れてしまいやすかったりすることも、弱点の一つと言えるかもしれない。
また、船での水深のある場所での釣りやキス釣り、投げサビキのように大遠投する場面では、「伸びる」ことによりアタリがとれないことも弱点になる。
水深100m以上や大遠投が前提の釣りをするのならば、道糸としてのナイロンは選択肢に入らない。その釣りをしっかり学んで糸を選択したほうが無難だろう。
ナイロンをショックリーダー専門で使う人には、以下の高級糸がおすすめだ。
この糸は、100lb以上のゴン太の糸でもしなやかで結びやすく、非常に強い糸である。
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フロロカーボンライン
フロロカーボンラインは、ポリフッ化ビニリデンという樹脂を基本とする素材からできた糸の事である。ポリフッ化ビニリデンは、一般にはかたさや耐薬品性が求められる場面で使用される樹脂である。
この樹脂が釣り糸に応用されたのにはいろいろと理由がある。つまり長所があるということだ。以下で見ていこう。ちなみに同じ太さでの引っ張り強度はナイロンと大差ない(大差ないけども、ナイロンにわずかに劣る)。そして若干伸びにくい。
①水中での視認性が低い
②比重が重く、水に容易に沈む
③ナイロンよりかたく、傷が付きにくい
④ナイロンより劣化が遅い
⑤ショックリーダー不要
①水中での視認性が低い
フロロカーボンの糸は、水中で見えにくい。これはなぜかというと、光のフロロカーボンに対する屈折率が、水に対する屈折率に近いからだ。
これが実感できる場面といえば、ストーブの上の空気が揺らいで見える場面があるが、あれはまさに「熱い空気」と「冷たい空気」の屈折率が違うから透明な空気が「見えている」のである。
空気が混ざり合ったストーブの遠くでは揺らぎは見えない。ナイロンと水よりも、フロロカーボンと水の方が、屈折率が近い。
これによって、水中での視認性が低いのだ。糸が見えにくいということは、魚に仕掛けを察知されにくいということになる。これは釣りにおいて大きな利点だ。
最終的にルアーと道糸を結ぶショックリーダーや、エサと道糸を結ぶハリスにフロロカーボンが多用される理由の一つがこれである。
また、ナイロンに比べてわずかなライントラブルで縮れにくいという側面もここではプラスに働くだろう。
②比重が重く、水に容易に沈む
ナイロンも水に沈むと書いたが、フロロカーボンはナイロンよりも比重が大きく、沈みやすい糸である。
表層の釣りをする場合には欠点となるが、底を狙ったルアー釣りをする場合では大きなメリットだ。仕掛けから水面に向かって糸が出ている状態と、竿に向かって糸が出ている状態では、そもそも別の動きをする。ボートから岸に向かって駆け上がりを逆さに狙うような場面では大活躍する。バス釣りにおいてフロロカーボンが主流になった理由はおそらくこれなのだが、おかっぱりだと糸がボトムに擦れやすいため、傷が付きやすい。
③ナイロンよりかたく、擦れに強い
フロロカーボンンがショックリーダー、ハリスに多用される理由の二つ目がこれである。かたいので、擦れたときに傷がつきにくいのだ。ただし、ナイロンの項でも述べたのだが硬いがゆえにいったん傷つくとあっさり切れやすいく、ラインチェックは頻繁に行わなければならない。
④ナイロンより劣化が遅い
これがポリフッ化ビニリデンの性質そのものだ。水や水中の腐食性の物質、また紫外線によって分子中の結合が切れにくいのだ。とはいえ、まったく劣化しないわけではないので巻き替えは必要だ。
⑤ショックリーダー不要
これについてはナイロンと同様だ。要するに、PEラインにはショックリーダーというものが必要で、非常にメンドクサイということだ。
フロロカーボンは優れた素材だが、欠点もある。
まず、ナイロンより高価だ(巻き替え頻度を考えると大差ないかもしれない)。そして、ナイロンよりもしなやかさがないため、巻き癖が付きやすくゴワついていて、ライントラブルが起こりやすい。太さによってはこれでルアーやエサのフォールも不自然になる。
さらに、ショックリーダーはフロロカーボンを使うのが当たり前のような風潮があるのであまり気付かれないことであるが、ナイロンに比べると複雑なノットの結束がしにくい。これもかたいことが原因である。
さて、ここまで2種類の糸の性質を書いてきたが、実は私はフロロカーボンの糸を滅多に使わない。使うのは、ハリス付きでない鈎にハリスをつける場面で形式的に使うだけだ。
というのも、ここまで書いてきたフロロカーボンの長所が、私が使用する場面に適合していないからである。ボートのバス釣りはほぼしないし、不器用なのでショックリーダーは結びやすいナイロンを使用する。
ところで、メリットの所で「おかっぱりではボトムに擦ることがある」という事に触れた。これはちょっと想像力を働かせると分かるのだが、岸から投げる場面では、少し沖にブレイクがあるなどというようにボトムが「上に凸」の形状をしている場面が多々ある。これに対して沈みやすい道糸を使用すると、糸は「下に凸」の曲線を描く。これらが交差する場面では、糸が地面と干渉するのだ。ナイロンより長持ちだと思って安心していると、意外なところに傷が付いていて高切れする可能性をはらむ。
色々と使わない理由をつけたが、私だってフロロ用の余分なリールが用意できる余裕があり、かつ、ボートでルアーをやるような場面があればフロロカーボンを使うだろう。あくまで場面との適合を考えるとナイロンと判断しているに過ぎない。
ちなみに、私がハリスをわざわざ鈎につける場面というのは、「泳がせ釣り」をするときくらいだ。海が遠のいてめっきりやっていないが、以下の糸を使っていた。理由は、ボビンが大きいので巻きグセがついていないからだ。
近年話題になり始めた、「魚に見えないピンクフロロ」なるものにも、触れておこうと思う。細糸で小型魚を狙う場面では活躍する。
この糸の売りは、魚に見えづらいということなのだが、人間からは見やすいピンク色だ。なんでこんなことになるかと言うと、生物によって目で感知できる・しやすい色が違うし、複数の色の混ざり方によって人間からは同じ色に見えても魚からは見えにくい糸と言うのは実現できるということである。センサーの種類が違うと考えれば想像はつくだろう。
PEライン
最後に紹介するのが、このPEの糸である。「PE」とは「ポリエチレン」の略である。色んなものに使われているのでなじみは深いと思う。
とはいうものの、PEラインは単に素材の違いだけではなく、極細の糸を編み込んだマルチフィラメントという構造をしている。
この構造とPEの特性によって、驚異的な引張り強度を実現したのが「PEライン」と言われるものである。同じ引張り強度なら、ナイロンやフロロカーボンの半分以下の直径で実現できるのである。
しかも、編み込んだ糸なので柔らかく、しなやか(ハリがない)なのだ。そんな夢のような糸の夢のような長所をまずは紹介していこう。
①飛距離が出る
②繊細なあたりがとれる
③強く引張ってもなかなか切れない
④軽くてしなやか
⑤劣化しにくい
①飛距離が出る
これはなぜかというと、釣りものに合わせて設定した引張強度に対して、非常に細い糸が使えることと、PEがしなやかな糸であるということだ。巻グセも無縁といっていい。ナイロンやフロロの同じ引張強度の物と比べると倍近くは飛ぶと考えてよいのではないだろうか。
②繊細なあたりをとれる
これはPEの糸が「伸びない」という、ナイロンやフロロと逆の性質を持っていることに由来する。「伸びる」利点と欠点を上で説明したが、その欠点のほうを見事に埋めるのである。(もちろん利点は失われるのだが)
どんなに遠投しても繊細にあたりがとれ、的確なアワセを入れられるのがPEの強みである。水深何100mの釣りや、100m以上を遠投する釣りでは、飛距離の観点からも、あたりをとるという観点からも、PEラインは必須である。
でないと、魚がいる場所まで届かない、釣れても魚がついているかどうかさえわからないような場面もある。
③強く引張ってもなかなか切れない、④軽くてしなやか
①と③、④は無理矢理分けたが、ほぼ同じメリットである。
PEは引張り強度が強いがゆえに、細い糸が使える。そして軽くてしなやか。そのために飛距離が出るのだ。
細い糸で釣りができるということは、ルアーやエサの繊細な動きに対応できる。そして、その糸で大物と対峙できるのだ。
⑤劣化しにくい
ナイロンの倍は軽く持つと考えていいだろう。(ただし、ナイロンの倍以上高いが)
ここまでPEの夢のような長所を書いてきたが、実は欠点がたくさんある。
まず言っておかなければならないのが、ショックリーダーの必要性だろう。
さっきからショックリーダーって出てくるけどなんだ?と思っていた人は絶望するかもしれない。
PEの糸を使う場合、基本的にナイロンやフロロカーボンの糸を50cmから150cmくらい、PEの糸に結束して、その糸をルアーや仕掛けに結ぶ必要がある。ベイトリールでPEシステムを組む場合は数mから十数mリーダーを入れる場合もある。
おすすめの結び方は釣り小話の中で紹介している。
これはなぜかというと、PEがあまりに「擦れ」に弱いからだ。護岸のコンクリート、岩や木、水面のごみなどに擦れると、引張強度の強いPEもあっさりと切れてしまう。
また、マルチフィラメントという構造上、「糸を結んだ部分」の強度は、単一構造の糸に比べて弱くなる。
そのため、そういった役割を担う部分にだけ、ショックリーダーといってナイロンやフロロの糸をいったん噛ませなければならないのだ(太PEならいざ知らず、2号以下の細PEで直結は選択肢にないと思ってほしい)。
これは慣れていないと非常に面倒に感じる。だからこそナイロンやフロロの糸は廃れず、この面倒さに見合う釣りのときだけPEを使うという風にすみわけができているのである。
またPEのラインは、細い糸が使えるので必然的に細くなるのだが、これゆえ絡まりやすい。絡まった時のメンドクサさは半端ではないが、爪と指で型を直してやると素直に元に戻るので、絡まるのは慣れないうちだけだと思って練習しよう。ベイトリールでの使用では一撃のバックラッシュで再起不能になることもあるため、気が抜けない釣りになる(10m以上のロングリーダーでこれはほぼ解決する)。
あまりにいっぱいに糸を巻くと、例えばスピニングリールだとキャスト時に糸の塊が放出されて酷い目にあう(これでロッドが折れたりすることがある)ので、はじめは短めに巻くことを意識して、スプールにミチミチに糸を巻かないようにして糸に慣れよう。また、スピニングでPEを使ってドラグを多用していると糸ヨレによって同様の事態になりやすい。「1年使える」という人もいるが、これは半分だけ正しい。大きい魚を釣ってドラグを頻繁に出されていない場合に限る。ドラグを出されてリールを巻くと糸はヨレるので、頻繁に釣っていたら使い物にならなくなる。
ブラックバス等で使うベイトキャスティングリール(ベイトリール)に細PEを巻く場合は、細い糸だとトラブルが起こりまくる上、ちょっとしたバックラッシュでも復帰が困難だ。
バックラッシュ自体も、糸の「出やすさ」ゆえに起りやすいし、根掛かりなどのときに引っ張られた際、スプール表面の糸がスプールに巻かれた糸の内側にめり込んだりして、次のキャストでルアーの飛行中に糸が突然スプールから出なくなったりする。(これでラインブレイクしたらルアーだけが空しく飛んでいく)
だから、ベイトリールでPEを使う時は、引張強度だけを考慮するのではなく、ある程度太さのあるものにしたい。(復帰が困難なバックラッシュは得てしてキャスト初期の、ルアー及びスプールの回転が速い時に起こる。これを防ぐ方法として、10m以上の長さを取ったリーダーを使用することで高切れ及びPE由来のバックラッシュはかなり防ぐことができる。使用感は「遠投時の感度がいいナイロン/フロロ」といった感じになる。糸の軽さでスプールが非常に軽量化されるため、慣れればブレーキも弱くし飛距離が出しやすくなる。非常に優れたシステムだ。)
まだ欠点はある。PEは軽く、水に浮くので底をとりづらく、軽いルアーの使用時には強風下では何をやっているのか分からなくなるくらい糸が風で流れることもある。
また、伸びないのでたるむとアタリが取りづらい。張っていると繊細なアタリが取れるのだが、たるませる場面では竿先であたりをとるよりも糸自体をよく「見る」必要がある。それ故にルアー用では視認性の良いカラーがよく発売されている。
ちなみにブラックバスのライトタックルでPEを使うことをパワーフィネスという(本当にそうなのだろうか?太PEでリーダーをつけず、ごついかたい竿を使うのがパワーフィネスだとしている人もいる、この言葉を聞いたらどちらの事なのか、探るようにしよう。)が、私はシーバス経験後は誰に言われるでもなくいつのまにかこれを始めていた。(淡水釣りに戻ってきたときに流用したのがきっかけである)上記の欠点を考えても尚、一度やったらやめられない魅力がいっぱいだ。
PEには4本撚りや8本撚りなど、編み込む糸の本数が異なるものが発売されているが、以下のように覚えておこう。
本数が多い⇔本数が少ない
引張強度が強い⇔引張強度が弱い
擦れに弱い⇔擦れに強い
しなやか、ハリがない⇔ハリが少しだけある
こんなところだろうか。
私が使っているPEラインは以下のいくつかのラインである。
・スピニングの普段使いの場合
可は多く不可がない、安くて優秀なラインである。ただし、表記されているスペックはやや盛り過ぎな気がする。
・スピニングでワームの釣りをする場合
底を意識する場合、やはり高比重のほうが扱いやすい場面は多い。
・ベイトリールにPEを巻く場合
この糸は撚った糸をレジン(樹脂)でコーティングしているため、モノフィラメントの糸ほどではないがハリがあってバックラッシュしにくい。同じ太さだと若干強度は落ちるが、ベイトではそこまで細いPEにこだわることも無いと思うのでこれが非常に有利な意図の選択だと思っている。
PEのリーダー結束や扱い方の練習を、と思うのならばもっと安価なもので練習するのもいい。なぜなら、PEの使い初めはトラブル連発必至だからだ。
結局何釣りに何のラインつかってるのか?
伸びることも伸びないことも、沈むことも浮くことも、ここでは長所として書いてきた。結局それは用途によるからだ。
では私が主に釣りをする場面において、何のラインを使っているかを以下にまとめておく。
ただしこれは結構変だと思うので、各自いろいろ探ってみて自分なりにターゲットごとのライン選択をしてみてほしい。
アメナマ(ブッコミ)
→高比重PE+リーダーナイロン4~6号
鯉(ほぼパンプカ)
→ナイロン4号(16lb)以上
ライギョ(ワーム使用)
→ナイロン5号(20lb)以上
ライギョ(トップ)※滅多にやらない
→PE4号以上(直結)
ブラックバス(スピニング)
→PE1号、リーダーナイロン2.5号~(12lb~)
ブラックバス(ベイト:巻物など重いルアー)
→高比重PE1.5号+リーダーナイロン3号~(12lb~)
ナマズ(ワーム使用)
→高比重PE+リーダーナイロン4号(16lb)以上
ナマズ(トップ)※滅多にやらない
→PE3号以上 (直結)
小物釣り
→ナイロン1~2号(6~10lb)
リールは釣りものではなく糸で使い分けているので、全ての魚種ごとにリールがあるわけではない。
現在は淡水の近距離戦ばかりなので、元々「太ナイロン派」である私は餌釣りではPEをほぼ使っていなかったのだが、PEをいろんな釣りに使い始めると便利すぎて一度やったらやめられなくなってきた。
そもそも私は「引っ張りあいで切られるかも」というスリルは好きではない。掛けたら捕るがモットーだ。魚によるラインブレイクが大嫌いなのである。ヘラにしてもバスにしても、最近影響力のある人がむやみに細い糸を使っているように映る。
60㎝を超える魚で道糸が4lbとか6lbとか言われると眩暈がする。それでロクマルも釣れないことはないだろうが、地形状況などもあるので、全く余裕ではないはずだ。巨大な鯉やライギョが意図せずに掛かることもあり、対応は困難を極める。繊細な釣りでも、糸は強すぎるくらいを推したい。
トップウォーターで使っているPE4号とかいうのは、エイとかシイラと綱引きできる強度だ。
もちろんエイやシイラとファイトするならばショックリーダーは必要だが、トップのナマズやライギョでPE3号が直結でブレイクしたことはない(オープンエリアでしかやらないからである)。この程度の魚種でPE4号以上なら、どこにも走らせずに巻き上げてしまえる。もちろん、水草の中から水草ごと引っこ抜くような釣りをするなら、PE5号とか6号とか、太い方がいいのは間違いない。
素材ごとに比べると、どう見てもPEは優秀である。PEを使う理由はた当サイトで扱うような釣りもの、釣りかたの場合、「太ナイロン」が適している場合もある。「ナイロンでじゅうぶん」となめてかかっているのではない。ナイロンが適していると思って使っているのだ。値段や手軽さとも相談し、糸を選択しよう。