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大きな魚を手軽に釣ろう

延べ竿のリリアンと道糸の結び方

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-​結ぶのが簡単で、外すのも簡単なのが良い-

釣り小話第2弾で、釣り糸の結び方を3種類紹介した。そこでは、私はほとんど3つのノットしか使っていないと書いた。

 

しかしそれは、当サイトで扱う釣りのほとんどがリール竿を使ったものだからである。延べ竿を使って小物釣りやフナ釣りを行う場合には、延べ竿のリリアンと道糸の結び方を説明する必要があることに気が付いた。

 

リリアンと道糸の結び方とひとつとっても、多くの方法が存在する。延べ竿を使用する場合、仕掛けは釣行ごとに取り外す場合がほとんどだ。

 

このため、「簡単に結べて、簡単に取り外せる」という条件で方法を選ぶと、「チチワ式」がもっとも手軽だろう。

 

ここでは私が推奨する「チチワ式」の結び方を太い紐を使って詳しく写真付きで説明する。

 

当サイトの訪問者は延べ竿になじみのない人も多いであろうから一応説明しておくと、リリアンというのは編み糸の名前なのだが、ここでは延べ竿の穂先についている短い編み糸のことを指している。

 

特に新しく買わなくても、延べ竿の穂先には、はじめからついているものだ。

 

リール竿での釣りからはじめて、延べ竿での釣りを始めたいという方もいるだろう。そういう方にとっては、この方法を身に着けさえすれば他の結び方はリールの釣りで使う糸の結び方で事足りる。

 

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 目次

 

糸を結ぶ前に、リリアンに「こぶ」をつくる

延べ竿を買ってくると、穂先にはリリアンがついていると述べた。しかし、新品の竿のリリアンは真っ直ぐで、何も施されていない。

 

チチワ式でリリアンと道糸を結ぶ場合には、リリアンに「こぶ」を作ってやる必要がある。

 

やり方は非常に簡単だ。8の字結びをリリアンの先の方で作り、締めるだけだ。延べ竿を触ったこともない人のために、これも写真付きで説明しよう。

​まず、リリアンで輪を作る。リリアンの先の方で作るのがポイントだ。

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​輪っかをつまんで半回転ひねり、輪っかの中にリリアンの先を通す。通す向きに注意しよう。

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​結び目がリリアンの先端から1cm以内になるように調整し、締めて完成だ。

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このこぶがあるおかげで、リリアンに結び付けた糸が引っ張られても仕掛けを持って行かれないで済むのだ。

 

小さなこぶ一つだが、非常に重要な役割を担っている。私が作った実際のリリアンのこぶは以下の写真のようになっている。

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以上でリリアンの準備は完了だ。簡単すぎて面食らうだろうか。しかし、道糸の準備も、お互いを結ぶ手順も、難易度はそんなに違わない。道糸の準備は同じようなことを複数回繰り返すだけ。接続もほぼワンタッチだ。

 

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道糸の準備

​リリアンにこぶを作ったら、道糸にも事前に結び目を作って準備する段階がある。道糸の端に「チチワ」という輪っかを作るのだが、これまた8の字結びで作る。

 

作り方は非常に簡単だ。順を追って説明していこう。

まず、道糸の端を折って2本の糸を重ねる。

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ここで2重になった糸で輪っかを作る。2本がバラバラにならないように注意しよう。

 

 

輪っかを作ったらリリアンのときと同じように半回転ひねろう。これをサボるとリリアンから道糸が外れて仕掛けを持って行かれることがあるので注意したい。忘れないように半回転ひねろう。

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​ひねったら、今度は終れ曲がった道糸の端を輪っかに通す。これまた方向に注意しよう。

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​結び目を、輪っかが大きくなるように調整して「チチワ」が完成。

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しかしチチワ式リリアン結束の道糸の準備はこれで終わりではない。ここからは、リリアンから取り外しやすくなるように工夫を施す工程に入る。

 

とはいっても似たようなことをするだけだ。輪っかをピンと張って2重になった糸で再び輪っかを作る。

 

今度は一回ひねらなくていいので、折れ曲がった道糸の端をこの輪に通す。通す向きには気をつけよう。

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今度は先端の輪っかが小さくなるように結び目位置を調整ながら締めたら、チチワ式道糸の準備は完了だ。

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輪っかが二つできていて、先端が小さい輪次に大きい輪、という形ができれば成功だ。しつこいようだが、大きいほうの輪(チチワ)は、2重の糸の輪っかを一回ひねるのを忘れないようにしてほしい。

 

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リリアンと道糸の結び方

ここまでに書いてきた方法で、リリアンと道糸を結ぶための「準備」が整った。

 

今度は実際に延べ竿で釣りをするために、リリアンと道糸の結び方を解説することにしよう。

 

これまた、「輪っかを作って、通して締める」だけなのだが、ちょっと様相がちがうのでよく見てみてほしい。

​まずは、道糸の端の大きな輪っかの真ん中くらいで2重になった糸をつかみ残りの輪っかを手前に折り曲げて2重の糸にクロスさせる。

 

そうすると下の写真のように新たに2つの輪っかができるはずだ。この輪を崩さないためには右手でクロスした部分をつまむと良い。(チチワの先にある小さな輪は無視していい)

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 この新しくできた2つの輪っかに写真で言うと上から親指と人差し指を突っ込んで少し引くと、新しくできた輪が重なって2重になるはずだ。

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このような状態になっていたら正解である。今度は、この2重の輪にリリアンをこぶの奥まで通し、こぶの近くで道糸を引いて締める。

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締めたらチチワ結びの完成だ。下の写真のようにし締まったチチワ結びがこぶで引っかかってとれない、という状態になるのがわかるだろう。

 

チチワは引っ張れば引っ張るほど締まるので、魚が釣れて道糸が引っ張られるとリリアンに食い込み、ずれる力がかかってもこぶで止まるのだ。

 

こんな簡単な止め方でも、80㎝の鯉だって相手にできる。優れた結び方なのである。

 

全体として、特殊な結び方は一切入っていないので簡単に感じたのではないだろうか。でもそれこそが狙いであるし、「チチワ式」の良いところなのだ。

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ところで、道糸の先端に作った小さい輪っかは、ここまで使う場面がなかったことに気が付いただろうか。

 

そう、この輪っかは、リリアンと道糸を結ぶだけなら別にいらないのである。

 

しかし、釣りが終わって仕掛けを外すときに、リリアンを締め付けるチチワ結びを緩めて外すのは簡単ではない。

 

そんな時にこの小さな輪っかが役に立つ。ためしにこの小さな輪を引っ張ってみればわかるが、チチワ結びがあっと言う間に緩む。

 

こうして着脱可能にしておくのが目的だったのである。延べ竿の仕掛けは釣りのたびに外して仕掛け巻きにまくのだから、外せるようにしておくというのは極めて重要なことなのだ。

さて、これで延べ竿のリリアンと「道糸を結ぶ方法」の小話は終わりである。延べ竿で釣るヘラブナでも、オイカワでも、タナゴでも使える方法なので、ぜひ色々なチャレンジをしてみてほしい。

 

 

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